夕ごはんの支度をしていたら、娘がキッチンに入ってきた。
クローゼットに置いていた竹炭を手に持って、「ママ、これなに?」と聞いてきた。真っ黒で、ごつごつしていて、子どもの目には不思議なものに映ったんだろう。
「炭だよ」と答えたら、「食べるの?」と返ってきた。思わず笑ってしまった。
素材の話を、ちゃんとしてみようと思った
食べるものじゃないよ、と説明しながら、じゃあこれはなんのためにあるの?という話になった。
湿気を吸ってくれるんだよ、空気をきれいにしてくれるんだよ、と言葉を探しながら話した。娘はふーんという顔をしながら、でもなんとなく聞いていた。
そのあと、ダイニングテーブルに置いていた亜麻草の鍋敷きも指差して、「これも?」と聞いてきた。これはね、植物からできてるんだよ。リネンって知ってる?と話したら、首を横に振った。そりゃそうだ。
なんで自然素材を選ぶのか、改めて考えた
子どもに説明しようとして、自分でも整理できていないことに気づいた。
なんとなく好きだから、では弱い。見た目が好きだから、も本当だけどそれだけじゃない。
しばらく考えて、出てきた言葉は「長く一緒にいられるから」だった。
化学素材のものが悪いわけじゃない。でも、土や植物から生まれたものは、使っていくうちに馴染んでいく感じがある。竹炭は天日干しをすれば繰り返し使えるし、亜麻草の鍋敷きは洗うたびに少しずつ柔らかくなる。消耗品として使い捨てるんじゃなくて、一緒に時間を重ねていけるものが、今の暮らしには合っている気がする。
子どもに伝えられることが、増えていけばいい
娘はもう別のことに興味が移っていたけれど、私の中には少し残った。
自分が選んでいるものの理由を、ちゃんと言葉にできるようになりたい。「なんとなくいい」じゃなくて、「こういう理由でいいと思っている」と話せるように。
急がなくていい。少しずつでいい。子どもに聞かれるたびに、一緒に考えればいい。
そういう時間が、この暮らしにはある。それが、ここに来てよかったと思う理由のひとつだ。

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